雑記帳

No.014

防曇ガラス 発熱ペアについて

関連商品:
複層ガラス 発熱ペア

発熱ペア(防曇ガラス)とは

ガラス片面または両面を強制的に暖めて、ガラス表面の結露を防止するヒーター入りの複層 ガラスです。ガラスにコーティングされた金属膜に電極を付け、抵抗となった金属膜に通電 することによって発熱し、ガラスの曇りを防止する仕組み(防曇ガラス)となっています。

●導電膜付ガラスの抵抗値

現在使用している導電膜付ガラスは正方形の両辺に電極を作製して抵抗値を計ると、13Ω になります。
縦横比が1:2の場合、26Ωとなります。(電極を常に短辺側に設置するように製造してい ます)

縦横比と抵抗値

横が長くなると抵抗値が大きくなり、縦が長くなると抵抗値が小さくなります。発熱ガラス は正方形で13Ωですので、W(横)/H(縦)×13[Ω]が任意のサイズの発熱ガラスの抵抗値となり ます。これを踏まえてオームの法則で計算すると、電圧値と抵抗値から電流値が、電流値と 抵抗値から電圧値が出てきます。

オームの法則

発熱ペア(防曇ガラス)の電力

発熱ペア(防曇ガラス)は、非通電時に比べて、通電時に5℃程度ガラスの温度が上昇する ためには、1uあたり100Wの電力が必要であるという結果が実験より得られています。

500o×500oのガラス@と、1000o×1000oのガラスAの抵抗値は同じ13Ωです。どちらの ガラスも100Vの電圧をかけると、電流は7.7A流れます。そしてどちらも770Wの電力とな ります。しかし、ガラス@は1uあたり3080Wの電力であるのに対し、ガラスAは1uあた り770Wの電力となり、1uあたり4倍の電力となります。 任意のサイズの発熱ガラスに1u辺り100Wの電力にするには、電圧値を制御します。 ガラス@には25Wの電力が必要となり、18Vの電圧をかけ、電流は1.4Aとなります。 ガラスAには100Wの電力が必要となり、36Vの電圧をかけ、電流は2.8Aとなります。

発熱ペア(防曇ガラス)の電力

ACパワーコントローラー

ガラスサイズに対応した電力にするためには、電圧を制御します。発熱ペア(防曇ガラス) のお見積り書に所定電圧等の情報を記載したり、出荷する発熱ペアガラス(防曇ガラス)に必 要な電圧や消費電力を貼付して出荷したりしており、お客様ご自身で所定の電源をご用意いた だくことも可能ですが、サンワイズでは、電圧を制御するために、ACパワーコントローラー (以下「ACパワコン」)をオプションで用意しています。ACパワコンは、トランスのよう に、電磁誘導により、ひとつの電圧を他の電圧に変換してはいません。SSRにより位相制御 をして、実効電圧を制御しています。
ACパワコンの電圧は、実効電圧が計測できるテスターを使用すると計測できます。 この実効電圧がトランスを使用する場合の電圧と同じ値になるように設定%が計算されていま す。

トランス制御と位相制御1

電磁誘導により、ひとつの電圧を他の電圧に変換する トランスを用いたもの。正弦波で出力される。広い電 圧範囲の制御、デジタル制御は難しい。

トランス制御と位相制御2

負荷に与える交流電圧の位相角をスイッチング素子 (SSR)によって変化させ、1サイクル中にON, OFFを行い、実効値を変化させる制御方法です。

ACパワコンの仕様


電源電圧 AC100V(90〜120V)、AC200V(180〜240V)
(100V/200v 電圧設定スイッチにて切替え)
電源周波数 50/60Hz
負荷電流 最大10A(推奨7A以下)
使用可能消費電力 最大500W(発熱複層ガラスの大きさによる)
設定値(%) 発熱複層ガラスのW寸法(電極間距離)による
利用可能コード径 0.75mu〜2.5mu、18AWG〜14AWG
使用周囲温度範囲 0〜50℃(直射日光の当たる場所での使用のなきこと)
使用周囲湿度 30〜80%Rh(但し結露なきこと)
使用雰囲気 周囲に腐食性ガスのなきこと
制御方法 位相制御(温調制御はしておりません)
本体寸法 幅:170 × 奥行:124 × 高さ:59 (mm)
重量 1.2kg(電源コード含まず)

●最適な設定

発熱ガラスの抵抗値が一定なため、ガラスのサイズによって決まってくる印加する最適な 設定電圧の算出方法をお話ししました。しかし、所定の電気量では結露の発生を抑えられ ないため、表面温度を上げて結露を防ぎたい場合には、若干であれば所定電圧を上げるこ とは可能です。この場合は注意が必要です。ACパワコンを使用する場合は、社内実験の 結果から、標準設定%の1.2倍までであれば出力を上げることは出来ます。これ以上出力を 上げてしまいますと、発熱ガラスの表面温度が上がりすぎてしまい、熱割れを起こす可能 性があります。たとえば先に挙げた500mm×500mmの発熱ペア(防曇ガラス)に100Vを 直接印加してしまった場合や、ACパワコンの設定を100%で通電してしまった場合は、 発熱ガラスの表面温度は触れないほどに上昇し、熱割れを起こしてガラスは割れてしまい ます。この場合、ガラスの破片が激しく飛び散りますので、ケガなどの恐れがあります。

●ACパワコンへの接続方法

発熱ガラスを複数枚ACパワコンに接続する場合は、同じサイズのガラスを必ず並列で接 続します。並列で接続することで、設定%を変更せずに複数を接続することができます。 並列に接続した場合、電圧は変わらないためです。

複数のリード線をACパワコンの端子台に接続するのは困難であるため、1本のリード線 にまとめてから接続します。複数のリード線を接続する方法として、圧着閉端接続子を使 用します。

CE2
リード線を3本接続できます。
2枚のガラス(ヒーター面)を1台のACパワコンに接続する場合に使用
CE5
リード線を4〜5本接続できます。
3枚、4枚のガラス(ヒーター面)を1台のACパワコンに接続する場合に使用


4枚以上のガラス(ヒーター面)を1台のACパワコンに接続する場合は、CE2とCE5を併用 します。

圧着閉端接続子

リード線の仕様


規格SHVFF
0.75sq
温度105℃
電圧〜300V
電流〜7A

リード線が7Aまでしか使用できないため、ACパワコンを使用する場合は、7Aを制限に して接続可能数を決定しています。

回路図1
回路図2

・発熱ペア(防曇ガラス)の作製方法

1.ガラスの洗浄ガラスを洗浄機で洗浄します。傷の確認も行います。

2.電極作製ガラスに電極を取り付けます。

3.ガラスのペア化複層ガラスの製造工程通りにペアにします。

4.コードの接続コードを接続します。コードは上部中央から出るように取り回しをします。

5.二次シール二次シールをして封止を行います。

6.発熱テスト抵抗値の計測を行います。
設定%で発熱をさせて、発熱されていること、異常な熱ムラがないことを確認します。

7.耐圧試験ACパワコンを使用する場合は、ACパワコンと発熱ペア(防曇ガラス)を接 続して耐圧試験を行います。

▲

まずはお気軽にご相談ください!

営業所をみる

無料でお問合せ

カタログ請求